次のオリンピックを目指すアジェンダ2020(改)の草案です――『オリンピックを学ぶ その+α』(全3回+α)
皆さんおはようございます、こんにちは! こんばんは?
今回書くのは、アジェンダ2020(改)です笑
公文書ではないのでとても雑ですが、オリンピックの未来とか真剣に考えました!
アジェンダ2020というオリンピック・ムーブメント推進のための中長期計画があります。
www.joc.or.jp オリンピック・ムーブメントについて戦略的な動きを策定しようという流れは正直とても素晴らしいと思います。
オリンピズムという理念は文句なしに最高だし、それを広めるために今まで打ってきた商業主義化などに代表される戦略は、最良かどうかは分かりませんが結構個人的にも好きではありました。
ソリダリティー事業の拡張ができるとか本当に素晴らしいですもんねー。
ただ、あえて今回はアジェンダ2020に刃向い、アジェンダ2020(改)を提唱してみようと思います笑
では目次です。
前回までのおさらいはこちらです。
【0.オリンピズムは絶対なる正義か?】
これは前回の記事で書いた通りです。
本当に、ここがアジェンダ2020(改)のかなめであると言っても過言ではありません。
オリンピズムの根本原則において、1はオリンピズムとは何かを伝え、2はそのオリンピズムという人生哲学を広めることで何を目指しているかを伝えている。
だが、3.は?
オリンピックにおいてオリンピック・ムーブメントが最高潮になります、みたいなことを書いていますが、数値的根拠は?
何よりそういう数値的な根拠がなければ、オリンピックというすさまじい金を使うイベントを開催するなんて話が通るとは全然思えません。
徹底的にデータを集めて検証し、オリンピックがオリンピズムの浸透にどれくらい役立っているのか検証する。
もし役に立っていないのならオリンピックは廃止する。
これがアジェンダ2020(改)の肝です。
すべてはオリンピズムの浸透とそれにより、社会を平和な状態に近づけるため。
個人的には理念には全く抵触していないと思うんですが、どうでしょうか?
皆さんもぜひこの課題については考えてみていただきたいです。
【1.Olympicity】
どうしてもオリンピックを継続しなければならない、という都合があるならば、理念の浸透をいかにして行っていくかというのを最重要に考えて出した答えはここにあります。
スライドで以下は表示していくので、アジェンダ2020(改)をもし本当に作るならば、このような形のオリンピックの実施も検討するとよいのではないでしょうか。
要するに、オリンピズムを人生哲学として生きる人が集積し、スポーツの聖地となるような都市を構築し、オリンピックをそこで毎年開く。
そこで観光者や選手としてスポーツに関わりに来た人たちがオリンピズムの哲学が浸透した空気を感じ、それに共鳴されてその町に加わったり、元いた町に戻った時にオリンピズムを拡散させてもらう、という動きです。
ちょっと最後のスライド完全に飛躍がありましたね笑
上でも書いた通り、観光や試合出場などでオリンピズムに触れた人が世界中に拡散し、オリンピズムを広めていき、世界の哲学になるという形です。
Olympicityで生まれ育った人たちは生まれながらにしてオリンピズムの体現者になっていく人が多いと思うので、そういう人たちが大人になったら逆に世界中にコーチなどとして拡散していって、オリンピズムを広めていく、という構図もあり得ます。
現在はいろんな場所を転々としてオリンピックが開かれていますが、それではいつまでたってもオリンピズムを骨の髄まで感じ、伝導できるプレイヤーは現れないと思います。
それに、日本でのオリンピックのニュース報道に関しては、メダル数という観点が多くオリンピズムを全く感じさせない気がしますし……。
これも重点的な開催が行われていない事により、文化への浸透が致命的に遅れているせいかなと思います。
この理屈にも当然数値的根拠はありません笑
ただ、少なくともシリコンバレーのように、集積によって一つの精神が濃縮され、強く発露するという現象自体は世界で見られています。
一方でオリンピックの色んな場所で転々として、一つの精神を波及させていく、というのはあまり前例がないような気がします。
冷静に考えれば、キリスト教の伝播とかはそうかもしれませんが、それにしてもキリスト教を骨の髄まで理解した伝道師あってこそです。
伝道師を量産する機構。
そのシステムとしてのオリンピック。
この構造を作るための方策をアジェンダ2020(改)では組み込みたいと思います。
【2.平等に努力に報いるスポーツ】
また、平等に努力に報いるためのスポーツ形態を全力で構築することをアジェンダ2020(改)では宣言します。
平等に努力に報いる、というのは現在のスポーツでは少し軽視されている所があります。
遺伝的な要因により有利不利が決まってしまったり、経済的な要因により日頃のトレーニングの質に差が生じ、勝敗が決したり。
特に遺伝的要因に至っては当人にとってはどうしようもありません。
集団戦では遺伝的要因よりも、恐らくもっとチームの信頼や日頃からの連帯の練習でどうにでもなる気がするので、少なくとも遺伝的要因は個人戦に比べて小さくなっていると思います。
ただ個人戦ではその差はやはり埋めれるなら埋めるべきです。
そこでアジェンダ2020(改)が提案するのは、伸び率で勝敗を決することです。
4年間で自分とどれだけ向き合い、自分のトレーニング法を見直し、自分のフォームを見直し、筋力を鍛え、という努力を積み重ねて、4年後再びその結果を測定する。
そして自分自身が4年でどれだけ伸びたか、その伸び率で他社の間との勝敗を決する。
これなら、個人VS.4年後の個人でしかないので、遺伝子の影響は排除できています。
それにこれはオリンピズムにも必ずしも反していないと思います。
己に打ち勝つための努力をし、自分自身を超克しようと立ち上がり続ける先輩アスリートが良き手本になる。
そうやって自分を超える経験を繰り返して心身知性を鍛えていく。
普段のトレーニングだってそうなはずです。
ただ、普段のトレーニングを応用して競技にも適用するだけ。
それだけで、きっと遺伝子による理不尽な能力差は取り除けるのだろうと思います。
【3.アジェンダ2020へのどうしても言いたい小言】
ここまで読んでくれた方ならば、僕がちょっと頭がおかしいんではないかと思うぐらい理念を大事にする人間だと分かっていただけてる人もいるかなと思います笑
理念ベース、理念を超大切にしながらアジェンダ2020を見ると、これだけは直せという絶対的な不満があります笑
アジェンダ2020の提言38を引用しますねー。
IOC委員の就任について、従来の申し込みによる方法から、狙いを絞った候補者探しのプロセスに移行する。
1.指名委員会はIOCの使命を最大限に果たすため、欠員を補充するための適切な候補者を特定する上で、これまで以上に積極的な役割を果たす。
2.一連の基準を満たした候補者のプロフィールは指名委員会を通じ、IOC理事会に提出され承認を受ける。とりわけ以下の基準を満たすべきである。
・スキルや知識でのIOCのニーズ(医学の専門知識、社会学の専門知識、文化に関する専門知識、政治に関する専門知識、ビジネスに関する専門知識、法律に関する専門知識、スポーツの運営管理に関する専門知識など)
・地理的なバランスおよび同一国からの代表者の最大人数
・男女のバランス
・IFまたはNOCの代表者については、当該組織にアスリート委員会が存在すること
3.IOC総会は国籍の基準について、個人資格の委員に関しては最大5件の例外を認めることができる。
別段特に問題はないですよ、ないんですけども笑
オリンピズムをこよなく愛している、が大前提としてちゃんと据え置かれているのか分かりづらいですよ笑!
1.オリンピズム、2.オリンピズム、寝ても覚めてもオリンピズムぐらいのプレイヤーである、というのが前提としてあるべきだと思いますねー……。
いや、別にこれは忘れてなければ大丈夫なんですけども。
さて、以上めちゃくちゃ長い連載におつきあいしていただきありがとうございました!!!
次回はないかもしれませんが、ひょっとするとJOCさんに質問を問い合わせてこの辺のオリンピズムはどうなっているのか根掘り葉掘り聞いてみて、その質問への回答を載せる、という記事もあるかもしれませんが、ひとまずここで。
本当にありがとうございました!!
皆さんもオリンピズムを胸に良きスポーツライフをお楽しみください!!