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東京五輪が近づく! その前に少し復習、オリンピックの歴史!--『オリンピックを学ぶ その1』(全3回+α?)

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 皆さんおはようございます、こんにちは? こんばんは!

 シンクタンクMeiflが今回書こうと思うのは、『オリンピックを学ぶ』という連載記事です。

 個人的にいつかは連載記事を作ってみたかったのでそれが実践できて非常に嬉しいです笑

 気分はNewspicksのプロライター気分です笑

 さて、今回の記事の最初はオリンピックの歴史を自分的にかいつまんでまとめた記事です。

 東京五輪が開催されるのにあたり、オリンピックの歴史でもちょっと勉強してみようかな? と思った方は特に楽しんでもらえると思います!

 ただ、網羅的に解説するというよりは、自分が興味深いと思ったパートをピックアップして書いている感じなので、そういうすべてを網羅した情報ではないことはあらかじめご了承ください。

 それ以外にも、結構僕自身調べていて知らないことも多かったので、知的好奇心が旺盛な人にはシンプルに読んでみてほしいですねー。

 また、この記事を読むうえで意識してほしいのは、自分は1993年生まれであり、オリンピックを子供心なりに体感しはじめたのが2000年代中ごろだろうということです。

 つまり、それ以前のオリンピックの大会についての情報は、よく知らないという事です。例えば、オリンピックにアマチュア限定の時代があったのは、調べて初めて知りました。

 では目次です。

 

【0.記事をよむと分かること】

・オリンピックの歴史。

・平成生まれのオリンピックへの認識。一般的かは分かりません笑

・オリンピックが抱える光と影(2回目が影、3回目が光です)

・オリンピックが何故そもそも行われているのか、その理念(3回目)

 

【1.古代オリンピック

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 オリンピックの歴史は皆さんも恐らくどこかで習った覚えがある古代にさかのぼります。

 古代ギリシアの紀元前776年より、ゼウスの聖地オリンピュアにおいて行われ始めたのが最初です。

 スポーツの祭典というイメージが一番最初に来て、次に平和の祭典というイメージがオリンピックでは湧きます。

 それもそのはず、古代に行われていたオリンピックの開催期間中はギリシアの全土の戦争を止めるような約束事がなされていたからです。

 古代のオリンピックの歴史自体はここで終わりです笑

 しかし、ここで疑問になるのが戦争を止めるという行為。

 戦争を止めるとはいったいどういう事ですか? 意味不明なんですが? と最近の戦争事情しか把握していない自分は思いました。

 太平洋戦争などのような戦争の歴史を見てみると、とても途中で止めれるような行為ではないように思えました。

 そこで当時の戦争とはいったいどういうものであったのか、ちょっと調べてみました。

 しかし、どうも当時の戦争がどういうもの(どういう意図で行われていたのか、どういう規模だったのかなど)だったのか、を明確に教えてくれるところはちょっと見当たりませんでした。

 ただ、どうやら停戦の条約みたいなのは当時相当有力だった人たちが集まって交わしたようです。

 確かに古代ギリシア世界を支配していた人たち全員が納得して結んだ協定ならば、実行力はありそうな気がしますね。

 近代のオリンピックでは停戦についての条約が交わされている訳ではないのかなー、と思ってそこも調べてみたんですが、どうやら僕が生まれたころに話し合いが始まっていたみたいでした。

www.unic.or.jp 着実にオリンピックが平和の祭典に近づこうとしているのを感じて少し感動です…!

 

【2.近代オリンピックの始まり】

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 近代オリンピックの創始者の名前を知っていますか?

 彼の名はピエール・ド・クーベルタンといいます。

 オリンピックの歴史を語るうえで彼の存在は当然ながら欠かせません。

 それについては詳しい記事が日本のオリンピック推進委員会であるJOCのサイトに素晴らしい物があったので貼っておきます。今後の話にもクーベルタンは登場するのでぜひご覧ください。

www.joc.or.jp

 このページに限らずJOCのサイトは色々と読み応えのある素晴らしい記事が多く、今回の連載でも都度引用が入ってきます。

 この連載を読んでオリンピックの歴史や、オリンピック自体に興味が湧いてきたらぜひJOCのサイトを訪れてみると面白いと思います!

 

【3.「プロ」と「アマ」の時代】

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 今回オリンピックについて調べていて、平成生まれの個人として全然知らなくて衝撃を受けたのが、オリンピックの歴史においてプロではなくアマチュアのみに参加資格を限定されていた時代があった、という事です……!

 これは平成のプロフェッショナリズムに汚染された(?)オリンピックを見て育ってきた自分には驚愕でした。

 そもそも、まずスポーツにおけるアマチュアとは、wikipediaにも書いてある通り以下のような状態です。

スポーツにおけるマチュアとは、スポーツを職業としておらず、かつ報酬を受け取っていない選手を指す。

アマチュア - Wikipedia

 さて、アマチュアしか参加できないルールが育まれたのはイギリスの産業革命期にさかのぼります。

 当時は新しいテクノロジーの出現により、労働者が徐々に資産を獲得していき、中流階級に位置する領域に、下流にいた労働者が入ってきたりしました。

 彼らは貴族の優雅なスポーツライフを見て憧れたのでしょうか、スポーツの世界にも足を踏み入れてきます。

 さて、それに貴族の人たちは怒ります。

 生まれた時から区別されてきた存在に自分の地位を脅かされた感じがするのかもしれません。

「スポーツで金を稼ぐ奴は出場禁止だ!!」

 当時のスポーツは、というか今のスポーツでも想像はつきますが、器具の購入や施設の利用などにお金がかかるせいで、資産を身に着け始めた労働者階級の人たちは、資金的な援助なしではスポーツを行うことができませんでした。

 なので、このルールにより基本的にイギリスでのスポーツの歴史はアマチュアの中で発展していきます。

 ちょうどそのような流れがあった時に、上のJOCの記事でも出ていたクーベルタンがイギリスに視察に来て、イギリスのスポーツの素晴らしさを実感して帰国します。

 そして帰国後、時を経てオリンピックを開催する際に、やはりイギリスのルールを参考にして制度を整備せざるを得なかったので、オリンピックの中に「アマチュアリズム」が取り入れられます。

 ただ、参考文献に示されている『IOC オリンピックを動かす巨大組織』で述べられていましたが、クーベルタン本人は「スポーツマンが生活のためにお金を稼ぐことは当然で、それによって差別してはならない」「少数のエリート選手が、なにがしかの報酬を手にしても許される」などプロの存在には理解を示していました。

 

【4.一校一国運動】

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「エクセレント」

 1998年長野オリンピックの閉会式で、IOC(このタイミングでやっと初出か笑 International Olympic Comitee、国際オリンピック委員会。オリンピックを運営し、世界的にオリンピックを広めようと頑張っている機関です)の当時の会長であるサマランチ会長が述べた言葉です。

 オリンピックでは開催国の選手の活躍や、天候の良さ、そして現地ボランティアの働きなど、様々な要素がからんで初めて多くの人の感動や歓声を呼び起こす素晴らしいイベントになります。

 そして長野オリンピックにおいてサマランチ会長は、現地ボランティアの働きの素晴らしさを評価してこう述べました。

 その彼らがオリンピックの歴史の中で初めて実施し、次の大会にも踏襲されるなど世界的な広がりを見せ始めている試みがあります。

 一校一国運動というのがそれです。

 この運動は地元の学校の生徒たちを巻き込んで実施されたもので、一つの学校の生徒がある国について勉強し、その国の選手との交流などを行い、異国文化の理解に励んで世界の平和につなげていこうという活動です。

 オリンピックの理念が目指すところの究極到達点は世界平和というものがあります。その一歩を踏み出す方法は色々あるでしょうが、異文化を理解し、多様な世界観が世界にはあることを納得する、というアプローチもその一つだと思います。

 それを実際に行動に移し始めた最初の場所がここ日本であったというのに巨大な感動を感じました。

 できることならちゃんとテレビなどを通じてこの時代の一校一国運動について直接見てみたかったです……。

 個人的には異文化への多少の理解が進むことにより、自然とその文化に親しみが湧き、仲良くなれそうな気がしてくる経験をしたことがあるので余計に感慨深く感じるのかもしれません。

 君の思い出話なんて知らないよという人はさくっと読み飛ばしてください笑

 いつだったか、シリアと日本がサッカーで試合をしているシーンがあったんですが、ちょうど当時のシリアは現在まで続く内戦? というか動乱を国内で経験している時期でした。

 僕はシリアの内戦は遠くの出来事として状況がひどいという事を知っている程度で、大した理解ではなかったんですが、それでも気を配っている出来事でした。

 とはいえ目の前のサッカーの試合では日本がシリアに対して2点多くとっている時。日本の攻勢は続き、シリアの内情がどうこうより、日本いいねえ、頑張って!! という一心でテレビを見ていました。

 ですがそこで解説者の人の粋なアナウンスが。

「それにしてもシリアは国内が大変な状況でありながら、ここまでの選手を養成するなんて……。本当にすごいチームですね」

 ちょっと目がうるんでしまいましたね、なんならこの文章を書いてるだけでちょっと涙が出そうになっちゃいました笑

 そう、そんな状況下でありながらシリアはめっちゃ頑張っていたんですよ!!

 そこからはシリア逆転してくれ!! と基本的にアンチ日本路線で応援をしていました笑

 このように、異文化や、そこが直面している状況への多少の理解があるだけでも、ある物事の見え方はがらりと変わってきます。

 そう考えると、一校一国運動で見識が広がった子供たちが、その異文化に対して多少なりとも親近感を抱き、将来的には国を超えた協調にも繋がっていくと素晴らしいなと思います!

 

【5.オリンピック・ビジネス】

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 オリンピックはカネになる。

 それを証明した歴史的大会は1984年のロサンゼルス大会でした。

 ロサンゼルスから提出されたオリンピック開催案は、オリンピックの歴史上異例のものでした。

 都市がお金を負担するのではなく民間がお金を出す。

 民間がやるのだからそこまで金はかけれないし、なんなら利益をあげられるならあげてやろう。

 その大会はそんなチャレンジングな意気込みを持って開催されました。

 オリンピックビジネスにおいてお金を生み出すのは主に、①テレビ放映権料(オリンピックの放送を独占的に行える権利を買う)、②スポンサーからの協賛金、③入場料収入、④記念コインなどグッズの制作と販売、⑤聖火リレーの参加料徴収。

 ロサンゼルス大会では、テレビ放映権料やスポンサーからの協賛金について巨大な変化がありました。

 前回大会のオリンピック放映権料に対して、ロサンゼルスオリンピックはいきなりその額の2.4倍を突き付けました。

 そして、その枠はなんと確かに売れたのです。

 運営側の見立て、「オリンピックを放送することにはもっと巨大な価値がある」という判断は正しかったのです。

 そしてスポンサーからの協賛金でも、前回大会では何十社からも分けてもらっていたものを、ロサンゼルス大会では各業種一社という条件を提示し、金額の最安値も前回に比べて莫大に高い価格を突き付けました。

 そしてその結果、たった一社目、飲料業界からはコカ・コーラと契約を取り付けた訳ですが、その一社だけで前回大会の約2倍のスポンサー料を取ることに成功したのです。

 各業種一社に限定したことにより、飲料業界ではコカ・コーラペプシコーラが激しく争い、争った結果として提示額がどんどん吊り上ってくる、という競争原理が働き、この結果に繋がりました。

 このほかにもさまざまな施策が打たれ、最終的には2億ドル程度の黒字をあげることに成功したロサンゼルス大会。

 ここから、オリンピックは商業主義を取り入れ、時に正しく、時に行きすぎながらも利益を生み出しつづけていくことになったのです。

 

【6.参考文献】

 この連載の作成にあたって参考にした本は以下の物です。

 『IOC オリンピックを動かす巨大組織』IOCという組織に所属していた委員の人から見たIOCという組織について色々と述べられています。

 オリンピックが発展していく歴史の中でどういう事が中で起きていたのか、というのを知ることができる非常にいい本でした。

 上でも登場したサマランチ会長がオリンピックの商業化に突っ走っていく様とかはなかなか見ものです。

 堅苦しい言葉が出てくることもなく、文章は非常に読みやすいですよー。

 『スポーツ史講義』はまずスポーツ全体の歴史を概観した後で、各論というか色々なスポーツについての歴史を見ていく、というような形になっています。

 サッカー(フットボールかな?)の歴史についての項目があるんですが、それは非常に興味深かったです。

 ある一つの学説が否定され、「本当こうではないか?」と色々な証拠を叩きつけて別の学説が提示される様子が書かれていて、歴史の認識が塗り替えられるのを見ているようで面白いです。

 こちらも堅苦しい言葉が出てくることもなく、文章は非常に読みやすいですよー。

 ただ、最初の方にある論文の書き方、みたいな項目は読み飛ばしていいかもです笑

 二回目に続きます。

highishiki.hatenablog.com