流れで覚える世界史の勉強法で「第一次世界大戦」を学ぶ! その2
みなさんおはようございます、こんにちは? こんばんは!
今回も流れで覚える世界史の勉強法で「第一次世界大戦」を学んでいこうと思います!
前回はサラエボ事件についてお話ししました。
ただその前に、前回述べたサラエボ事件に関してとても面白くてよい記事があったのでここに掲載しておこうと思います!
dic.nicovideo.jp 前回の記事で自分が述べたのはセルビア側、しかもセルビアの実行犯側のたった一人の人間の「気持ち」の推測を中心として話が動いていましたが、こちらはオーストリア側の暗殺された皇帝やその周りを含めた群像劇的な形で物語が紹介されています。
皇帝が落ちた許されぬ愛や、そこで立ちはだかる周囲の偏見に満ちた目に折れることもなく、それどころか「階級差の愛の何が悪いのであろうか。そんな下らない因習は私が皇帝として変えてみせよう」という意思を感じさせる振る舞いの数々(言葉はフィクションですが! ただ、世界史を覚えるという観点に関して言えば、ドラマチックに覚えることができればそれの方がいいですからね! 下の文章も登場人物の感情はフィクションですよ!)。
いいですねえ、愛という誰もが興味を示さざるを得ないテーマに絡めて、史実を誰にでも読み進めたくなるストーリーに落とし込むこの技量……!
僕自身こういう記事を書いている身として見習わなきゃいけないと思います……!
ただ、こういうタイプで世界史を身近に感じてもらうものの場合、「愛」という多くの人が共感して読みたさを喚起できるテーマが史実で深く絡んでこないと難しいという点で、まだまだ不完全なのでしょうね……。
より多くの人に世界史に興味を持ってもらうための人類の挑戦はまだまだ続きそうです……!!
さて、では記事に入りますが目次です。
【2.オーストリアとセルビア宣戦布告】
オーストリアの実権を握る要人「
……なんと愚かしい事をしてくれたんだ彼らはッ!
大セルビアもここまで来るともはや目に余るな……。
ただの周辺国が列強に刃向うというのがいったい何を意味しているのか彼らは分かっていないらしい。
それに関して一度分からせてやる必要があるようだな。
列強以外に生を受けた時点ですでに人生で一度敗北をしているようなものなのだ。
敗者は敗者らしく地をなめていればよい。
ふむ、どうにも列強の中枢にいると列強中心で物事を考えてしまうな……。
ただ、それの何が問題であるというのだろう。
我々が侵略した土地を見てみれば、彼らの文明が我々より遅れているのは明らかだった。
むしろ我々の文明の中に取り込まれることで新しい世界に連れて行ってもらえることを光栄に思う必要がある。
……話が逸れてしまった、とにかく今はセルビアに己の立ち位置というものをわきまえてもらわねば困るな。
宣戦を布告し、一度叩き潰すこととしよう。
国民への通達に関しては、まだいいだろう。
無用の心配をさせてしまっても悪いし、必要とあれば権力により徴兵できるのだから問題はない。
それよりも、セルビアを攻撃するとなるとロシアが厄介だ……。
セルビアとロシア、同じ南スラブ系の民族同士、情けをかけて擁護に入ってこられるやもしれん。
ふむ、ドイツに仲立ちをしてもらってロシアには動かないよう求めておくか……」
――オーストリアとドイツの秘密外交――
ドイツの権力中枢の要人「
まあ仕方あるまい。
我々を巻き込んでおけば、ロシアも簡単に軍は出すことはできないという発想は正しいであろう。
国境を触れている二国と戦争になればロシア側も都合が悪かろう」
ロシアの権力中枢要人「
オーストリア……。
我々と起源を同じくするスラブの民を攻撃しようというのか……。
それにこれを放置しておけばオーストリアが国力の関係で勝利するのは火を見るより明らかだ……。
そしてセルビアを見放したことにより国内の過激なスラブ系民族から厳しい批判が巻き起こることは間違いない……。
それによる国力の低下は何としてでも避けねば列強としての立場も危うくなる……。
セルビアに支援するとの意図を伝達しておくこととしよう……。
オーストリア一国なら両側から挟み打てば軍を各戦線ごとに分散させなければならなくなるため、向こうも怖気づいてすんでのところで止めるだろう……。
今は列強が微妙な力関係を保ちながらヨーロッパでの平和を保っている時期だ……。
どこかの国力が落ちれば、その隙を狙って自国の地位を上げようと動き始める列強が必ずいる……。
彼らはその危険性を理解しているのか……?」
セルビアの権力中枢要人「
あの事件、一部の過激派がやったことであるとはいえ我々の責任も問われないままでは済まされないだろうな……。
実際われわれが悪かったところもあるのは否定できない……。
そしてこの最後通牒。
オーストリアはどうやら本当に怒っているらしい。
これは大セルビアを唱えている場合ではないかもしれないな。
非常事態だ、この通牒でなされている要求をできる限り飲もう。
国力の差などの都合上オーストリアと戦争になって敗北するのは……目に見えていることだ」
オーストリアの権力中枢要人「
セルビアめ……。
己の失態をおおむね認めたようだが、ならば最初からこのような事態にならないよう配慮すべきだったのだ。
その程度の努力もできないのならもはや周辺国として自治を保たせてやる必要もあるまい。
もう権力中枢の意見は固まっている。
最後通牒をすべて飲めないのならば、さっさとたたきつぶすのみ!
覚悟しろセルビア、列強に刃向ってどうなるか思い知らせてやろう、権力を用いて軍を動かしてセルビアとの国境付近で交戦開始だ!
ロシアもどうやら牽制をしてきているようだが、ドイツと連合を組むことさえできればさばけない相手ではあるまい。
ただ気がかりなのはロシアとフランスが、互いの国が軍事的衝突に巻き込まれた場合に支援すると取り決めていた露仏同盟だ……。
我々は国境を接していないからフランスからの侵略を受ける心配はひとまずないが、ドイツがフランスと交戦をし始めるとなると、東西の戦線を維持しながら戦うことになる……。
彼らはそれに耐えうるだけの力を持っているのだろうか?
ただ、最近のドイツの工業力の伸長は目を見張るものがある……。
ひょっとすると、我々にさえ明かされていないような戦略兵器を生み出したりしているかもしれないな……。
ひとまず、ロシアやフランスと戦線が拡大した場合は彼らに任せることとしよう」
ロシアの権力中枢要人「
牽制だけではだめだったようだな……。
仕方ない……。
寒い国なのに国民に些末なことでヒートアップされても困る……。
セルビアの支援のために国民を権力を持って総動員して軍を組織し、軍事作戦の発動に備える……!」
ファルケンハインを筆頭とするドイツ軍部上層「
ドイツが帝国としてあまたの列強を従える姿……。
皇帝以外にもその理想は引き継がれていますよ。
最近の我が帝国の工業力の発展は目を見張るものがあります。
軍事兵器を作成することも以前より容易になったといえます。
これなら露仏に挟まれていても戦える。
オーストリアがセルビアと争うだけでこの戦いが終わるのもかまいませんが、さらに多くの国を巻き込んだ戦争に発展するのもまた一興。
その期に乗じてドイツ帝国の支配領域を拡大することができれば、一歩また野望に近づくことができる。
……もしこの戦争で我々が負けてしまった場合?
まあもしそうなら、それもまた、悪くはないでしょう。
一挙に野望に向けて大きく前進できる今というチャンスをリスクを取らずに逃すのはあまりに惜しい。
……ほう、そう言っているうちにロシアが総動員令を発令しましたか。
ふむ、これはいい機会ですね、国民たちに向けて「ロシアは戦争のことしか考えていない野蛮な国家である」と演出するいいきっかけになる。
ふふ、様々な国家を巻き込んだ一大戦争になっても構わないと一番思っているのは我々であるのに、その罪を他国に着せてしまう……。
ロシアもとても哀れな国家と言えましょう。
さて、ならばロシアに総動員令を取り下げるよう伝達したのち、彼らがそれに応じないというのなら我々ドイツは、ヨーロッパの秩序を乱すロシアを打倒し、ヨーロッパを守護する英雄としてこの戦争に参戦することといたしましょう。
そのストーリーは国民にとっても実に魅力的です。
戦争意欲の高揚にもつながる。
では、さっそく通達を出すことにしましょうか」
――ドイツ、ロシアに総動員令取り下げを要求、ロシアがそれを飲まないとわかると自国で総動員令を発令――
さてみなさん、列強たちの(特に上層部の)意味不明なぐらい複雑な思惑が絡み合って第一次世界大戦は加速度的に進んでいきます。
自分でも書いてて、気持ちとかを踏まえて覚えるとここまで重厚なボリュームになると初めて知りました笑
世界史は本当に奥が深いです……。
これ以降のストーリーについて延々と書き綴っているとこの記事が10篇ぐらいに渡る壮大な長編小説みたいになってしまうので、最初に述べたとおりこの戦争の火ぶたが切って落とされたあたりでやめようと思います。
ここまで読んでくださった方はありがとうございました!!
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